パンフォーカス写真の撮影法
Webアプリ(パンフォーカス計算機)を用いることで、簡単にパンフォーカス写真が撮れます。
本記事で、パンフォーカス計算機の使用方法を説明します。
- Webアプリ(パンフォーカス計算機)
パンフォーカス
「パンフォーカス」は写真用語です。
「近景と遠景の両方が鮮明に写った写真」を「パンフォーカスな写真」といいます。
また、そのような写真を撮る方法として、「パンフォーカスで撮った写真」ともいいます。
- パンフォーカスな写真
- パンフォーカスで撮った写真
本記事では、Webアプリ(パンフォーカス計算機)を使うことで、簡単にパンフォーカスする手順を解説します。
(注)パンフォーカスの詳しい説明は、記事(パンフォーカスの計算)をご参照ください。
カメラの操作
パンフォーカス画像を撮るため、撮影者は「カメラの絞り」と「ピント」を調整します。
調整項目
- カメラの絞り
- ピント
カメラの絞り(F値)の調整
F値は、カメラの絞りの程度を表します。
パンフォーカス写真を撮るには、撮影者がカメラの絞り(F値)を操作します。
そのため、カメラの撮影モードのAモード(絞り優先オート)を使います。
(注)「絞り」、「Aモード」の説明は記事「Aモードでプロカメラマン」をご参照ください。
どのF値を選べば、パンフォーカス写真となるかは「パンフォーカス計算機」が計算します。
撮影者は、迷うことなく、計算結果通りにF値を設定します。
- パンフォーカス計算機が、適正なF値を計算する。
ピントの調整
「パンフォーカス計算機」が過焦点距離を計算します。
(注)過焦点距離の詳しい説明は、記事(パンフォーカスの計算)をご参照ください。
どこにピントを合わせれば、パンフォーカス写真となるかは「パンフォーカス計算機」が計算します。
撮影者は、迷うことなく、計算結果通りの位置にピントを合わせます。
- パンフォーカス計算機が、適正なピント位置を計算する。
その状態でシャッターを切ると、ピントを合わせた位置(過焦点距離)の半分の位置から、無限遠(∞)までが、ほぼピントが合った鮮明な写真が撮れます。
パンフォーカス写真の撮影手順
手順1. 準備
手順1.1. カメラの撮像素子を調べる
カメラの使用説明書もしくはメーカーのHPなどから、カメラの撮像素子の仕様を調べます。
手順1.2. 入力(パンフォーカス計算機)
パンフォーカス計算機に、撮像素子の仕様(サイズ:幅×高さ、総画素数)、および、撮影に使うレンズの焦点距離を入力します。
以下、カメラ(RICOH GRⅡ)の例です。
手順1.3. プリントアウト(パンフォーカス計算結果)
計算結果をプリントアウトし、撮影当日に持っていきます
以下、カメラ(RICOH GRⅡ)、焦点距離18.3(mm)の計算結果です。
手順2. 撮影
撮影方法は大別して2種類あります。
撮影方法
- A. カメラの絞り(F値)を先に決める方法
- B. ピント位置(過焦点距離)を先に決める方法
手順2.A. カメラの絞り(F値)を先に決める方法
手順2.A.1. F値を決め、過焦点距離を確認する
上表において、F値を「8」と決めると、過焦点距離が8.09(m)と計算されています。
(注)表中、「被写体の色」は「緑」を選択しました。
- 撮影者は、F値を「8」に設定する。
手順2.A.2. 過焦点距離にピントを合わせる
過焦点距離8.09(m)にある被写体にピントを合わせます。
その時、表示されているシャッタースピードが、1/60(秒)より遅い場合、手ぶれが発生するので三脚を使用します。
- 撮影者は、カメラから奥行方向に距離8.09 (m)にある被写体にピントを合わせます。
手順2.A.3. シャッターを切り、写真を確認する
その状態でシャッターを切ると、手前4.04(m)から無限遠(∞)まで鮮明に写った写真が撮れます。
もし、撮った写真の近景がボケていた場合、
その近景は4.04(m)より手前にあったので、F値を上げて、手順2.A.1.に戻ります。
手順2.B. ピント位置(過焦点距離)を先に決める方法
手順2.B.1. 写真の構図を決める
写真に収まる近景と遠景を定め、写真の構図を決定します。
例えば、近景が3.0 (m)だとします。
手順2.B.2. F値を確認し、設定する。
近景の2倍の位置が過焦点距離になります。
近景が3.0 (m)なので、過焦点距離は6.0 (m)となります。
上表中、過焦点距離が6.0 (m)以下では、5.18 (m)があります。
過焦点距離が5.18 (m)のとき、上表から、F値が「10」であることが分かります。
(注)表中、「被写体の色」は「緑」を選択しました。
- 撮影者は、カメラのF値を「10」に設定します。
手順2.B.3. 過焦点距離にピントを合わせ、シャッターを切る
近景の2倍の奥行位置にある被写体にピントを合わせ、シャッターを切ります。
シャッタースピードが、1/60(秒)より遅い場合、手ぶれが発生するので三脚を使用します。
- 撮影者は、近景の2倍(6.0 m)の位置にある被写体にピントを合わせます。