許容錯乱円の計算
カメラにはピントが合う範囲があります。
その範囲内の被写体にはピントが合い、その範囲外の被写体にはピントが合わずボケて写ります。
このピントが合う範囲を理解する際に、許容錯乱円というカメラ特有の数値が重要になります。
許容錯乱円
許容錯乱円の大きさ(半径)を、許容錯乱円径とよびます。
許容錯乱円径は、画素ピッチとエアリーディスク径とを比較して、数値の大きい方です。
式で表すと、次式となります。
- 許容錯乱円径 = Max { 画素ピッチ, エアリーディスク径 } ・ ・ ・ (1)
「画素ピッチ」については前々回の記事(画素ピッチ)を、「エアリーディスク径」は前回の記事(エアリーディスク)をご参照ください。
エアリーディスク径
下表は、各F値に対するエアリーディスク径の計算結果です。
具体的な計算方法は、前回の記事(エアリーディスク)をご参照ください。
ここで、Blueの波長は470nm、Greenの波長は530nm、Redの波長は700nmとしました。
画素ピッチ
画像ピッチはカメラ(正確には、撮像素子)固有の値です。
各カメラについて画素ピッチを計算します。
具体的な計算方法は、前々回記事(画素ピッチ)をご参照ください。
(1) Nikon D5500
・撮像素子:サイズは、23.5mm×15.6mm
・総画素数:2,478万画素
画素ピッチの計算結果は以下となります。
・画素ピッチ:3.85μm
(2) Canon EOS 5D
・撮像素子:サイズは、36.0mm×24.0mm
・総画素数:3,040万画素
画素ピッチの計算結果は以下となります。
・画素ピッチ:5.33μm
(3) OLYMPUS E-500
・撮像素子:サイズは、17.3mm×13.0mm
・総画素数:815万画素
画素ピッチの計算結果は以下となります。
・画素ピッチ:5.25μm
許容錯乱円径
許容錯乱円径の式(1)を用いて、エアリーディスク径の表(上表)を書き換えます。
背景が黄色の項目は、画素ピッチの数値で、背景が薄青色の項目は、エアリーディスク径の数値です。
(1) Nikon D5500
(2) Canon EOS 5D
(3) OLYMPUS E-500