ブラケット撮影の具体的手順
ブラケット撮影とは、元々は、カメラの露出の設定値を変えて、複数の写真を撮る撮影法です。
現在では、露出以外にフォーカスやホワイトバランスなどの設定値を変えて、複数枚の写真を撮るブラケット撮影もあります。
ここでは、HDR 写真を作るため、露出の設定値を変えるブラケット撮影について、具体的な手順をまとめました。
また、露出モードには、「手動」と「自動」がありますが、「自動」を選択します。
- 手動露出(ME:Manual Exposure)
- 自動露出(AE:Automatic Exposure)
HDR(High Dynamic Range)写真
HDR 写真の撮り方と特徴をまとめました。
撮影
三脚などでカメラを固定し、ほぼ同時に、露出値だけを変えて複数枚の写真を撮影します。
現像
その複数枚の写真から、良いとこ取りし、1枚のHDR 画像を合成します。
特徴
HDR 写真は複数枚の写真から良いとこ取りしたため、1枚の写真より「白とび」や「黒つぶれ」が軽減した写真になります。
「白とび」や「黒つぶれ」が軽減したことは、写真のダイナミックレンジが広がったことを意味します。
(注)HDR 写真の詳細は、記事「HDR 写真のすすめ」をご参照ください。
ブラケット撮影
ブラケット撮影の具体的な手順(注)を記述します。
(注)カメラの具体的な設定方法などは、メーカーや機種に依存しますので、適宜、読み替えてください。
準備・設定
撮影前に、カメラの設定などを準備しておきます。
ブラケットの種類選択
ブラケットには、露出を変化させるAEブラケットや、ホワイトバランスを変化させるWBブラケットなどがありますが、AE ブラケットを選びます。
- ブラケット種類:AEブラケット
セルフタイマーの設定
手ぶれ防止のため、セルフタイマーを使用します。連続で 3 枚、撮影します。
- スタート時間:2 秒後(適宜)
- 撮影枚数 :3 枚
フォーカスの設定
- フォーカス:マニュアル
ISOの設定
- 100か200(適宜、変更)
撮影モード
絞り優先オートにします。
プログラムオートやシャッター優先オートにすると、F値が変化し画面が変化してしまいます。
- 撮影モード:絞り優先オート
撮影
撮影現場では、以下の点に注意して撮影します。
被写体
基本的に被写体は何でもいいのですが、HDR 写真の効果を実感したい場合、画面内の明度差が激しい被写体を選びます。
- 被写体:何でもいい(例えば、明度差が激しい景色)
三脚
連続して、3 枚の写真を撮ります。
そのとき、カメラが動くと綺麗なHDR 画像とならないので、三脚を使用します。
- 三脚を使用
ピント
被写体が収まるよう画角を決めます。
マニュアルフォーカスなので、ピントは、ライブビューの拡大表示などを利用して確実に合わせます。
- ピントは確実に合わせる。
絞り(F 値)
F 値は自由に設定できます。
F 値の違いで、綺麗なHDR 画像にならないといったことはありません。
絞りを開放気味にしてボケを表現しても、絞ってパンフォーカスにしても自由です。
- F 値:自由
補正ステップ
AE ブラケットの補正ステップを選択します。
- 例. [AE0.3]~[AE2.0]の間で選択
例えば、[AE1.0]を選ぶと、AE-1.0, AE0.0, AE+1.0 の3 枚を撮影します。
3 枚ともF 値は同じなので、以下の関係が成り立ちます。
- AE-1.0
- 露光はAE0.0 の1/2 倍
- シャッタースピードはAE0.0の2 倍
- AE+1.0
- 露光はAE0.0 の2 倍
- シャッタースピードはAE0.0の1/2 倍
補正ステップ選択の目安
3 枚の写真を見て、白とび、黒つぶれが相当発生していれば、綺麗なHDR 写真が期待できます。
- 補正ステップは、白とび、黒つぶれが発生する値を選ぶ
シャッター
準備は全て整い、 後はシャッターを押すだけです。
風がやむのを待って、セルフタイマーで、3 枚の写真を撮ります。
- 風がやむのを待ち、シャッターを押す
現像
上記ブラケット撮影で得られた、露出値の異なる3 枚の写真を、HDR 合成してHDR 写真にします。
Lightroom
Lightroom の標準機能だけ用いて、以下の手順でHDR 合成できます。
・ライブラリで、3 枚の写真を選択
・メニューバーから「写真」-「写真を結合」-「HDR」と選択
HDR Efex Pro
Lightroom のプラグイン「Google Nik Collection」 の中にあるHDR Efex Pro を用いても、HDR 写真を作れます。
詳細は、記事「Google Nik Collection の使い方」をご参照ください。