数学コンピューター2:式の計算3
数学コンピューター(注)を使って、数学を再学習しています。
数学コンピューター2 では、中学数学2 の内容に準拠しています。
本記事は、記事「数学コンピューター2 :式の計算2」の続き記事となります。
(注)数学コンピューター
数学問題を解くときに利用するコンピューターの総称
ここでは、次の2 種類の数学コンピューターで計算しています。
- 関 数 電 卓 :fx-375ES-N
- Webサイト:WolframAlpha
数学がとても苦手な人が、数学を学びなおすとき、数学コンピューターが役立ちます。
詳細は、記事「関数電卓で数学を学びなおす」をご参照ください。
前回と前々回記事において、式の計算には「順方向」と「逆方向」があることを述べました。
例. 次式の計算を考えます
- 順方向:変数 X に値を代入し、Y を計算する
- 逆方向:変数 Y に値を代入し、X を計算する
詳細は、以下の記事をご参照ください。
- 順方向:「数学コンピューター2:式の計算」
- 逆方向:「数学コンピューター2:式の計算2」
今回、式の計算(順・逆方向混合)を例示します。
式の計算例(順・逆方向混合)
ここでは、fx-375ES-N を用いる場合、ソルブ機能を使用しました。
例1.
一辺 A cm の正方形の周りの長さを L 、面積を Sとしたとき、次式が成り立ちます。
質問:
30 m のロープがあります。
そのロープを4 等分して(目印を付ける)、地面に正方形を作ります。
正方形の面積はいくらですか?
考え方:
上記、正方形の方程式を利用する。
- L:ロープの長さ
- A:正方形の一辺の長さ
- S:正方形の面積
計算の方向(順・逆)は以下となります。
- 逆方向:L = 30 m からA を計算
- 順方向:A からS を計算
計算:
- fx-375ES-N
- 入力: Y=4A,A ← Y=30
- 回答: 5.641895835 → [Ans]
- 入力: Y=A^2,Y ← A=[Ans]
- 回答: 56.25
(注)[Ans]ボタン:
fx-375ES-N では、直前の計算結果を保存していて、[Ans]ボタンでそれを呼出せます。
(注)変数 L の代わりに Y を使用しました。
- WolframAlpha1
- 入力: L = 4 A, L = 30
- Solution: A = 15/2 → 15/2 をクリック
- 入力: S = (15/2)^2
- Solution: S = 225/4 = 56.25
(注)15/2 をクリック:
Solution の「15/2」 をクリックすると、新しい「入力画面」が、15/2 が入力済みで開きます。
- WolframAlpha2
- 入力: L = 4 A, S = A^2, L = 30
- Solution: A = 15/2 = 7.5, S = 225/4 = 56.25
(注)L = 4 A, S = A^2
2つの式(L=4A, S=A^2)において、変数A は同じ意味(同じ正方形の一辺の長さ)なので、入力欄に2 つの式を同時に記述できます。
例2.
半径 R cm の円の円周 L 、面積S は、次式となります。
質問:
30 m のロープがあります。
そのロープを使い、地面に円を作ります。
円の面積はいくらでしょうか?
考え方:
上記、円の方程式を利用する。
- L:ロープの長さ
- R:円の半径
- S:円の面積
計算の方向(順・逆)は以下となります。
- 逆方向:L = 30 m からR を計算
- 順方向:R からS を計算
計算:
- fx-375ES-N
- 入力: Y=2πA,A ← Y=30
- 回答: A=4.774648293 → [Ans]
- 入力: Y=πA^2,Y ← A=[Ans]
- 回答: Y=71.61972439
(注)変数L の代わりにY を、変数R の代わりにA を使用しました。
- WolframAlpha1
- 入力: L = 2πR, S = πR^2, L = 30
- Solution: R = 15/π → 15/π をクリック
- 入力: S = π(15/π)^2
- Solution: 225/π = 71.61972439135…
- WolframAlpha2
- 入力: L = 2πR, S = πR^2, L = 30
- Solution: R = 15/π = 4.7746…, S = 225/π = 71.61972439135…
(注)L = 2πR, S = πR^2
2つの式(L = 2πR, S = πR^2)において、変数 R は同じ意味(同じ円の半径)なので、入力欄に2 つの式を同時に記述できます。
Fig.1 は、周長が同じ正方形と円の図です。
周長が30 m の場合、例.1 と 例.2 の結果より、以下となります。
- 正方形:辺長(7.50 m)、面積(56.25 m^2)
- 円 :半径(4.77 m)、面積(71.62 m^2)
Question
円柱状(直径3 cm, 高さ6 cm)のカラー粘土があります。
この粘土をこねて、球状にしました。
式:
半径がR cm、高さH cm の円柱の体積V は、以下となります。
半径がR cm の球の体積V は、以下となります。
質問:
球の大きさ(半径)はどれくらいでしょうか?